感覚としてフィーリングシグナル

縷々として感じたことを。日々の叙情や詩を綴ります。

日々を縷々として書留ます。

シン・エヴァンゲリオン劇場版を鑑賞しました

シン・エヴァンゲリオンを映画館で観ました。

誤解されると癪なので先に釈明しますが、

本当に素晴らしい作品でした。とても感動しました。

では、

 

 

 

以下ネタバレを含みます!!

 

 

 

 

 

 

今日、シン・エヴァンゲリオンを観た。

 

エンドロールが流れ始めた途端、

私は今までにない虚無感と喪失感、無能感に襲われた。

涙が止まらなかった。 

 

エヴァが終わった。

少年、碇シンジの物語に終止符が打たれた。

それは紛れも無い真実だった。

 

 

ー私は1995年に生まれた。

旧アニメシリーズ放映開始の年だ。

 

それから約25年、2021年エヴァ新劇場版シリーズが完結した。

 

碇シンジは少年から大人になった。

14歳だった少年は学生服の袖を脱ぎ捨て、

スーツを着てマリの手を引きその先へと進んでいった。

ー「行こう」

シンジのその一言がナイフの様に私に突き刺さった。

 

『ああ、行かないでくれ。どうか私を置いて行かないでくれ』

そう切に願った。

 

 

碇シンジはアスカに別れ際こう伝えた

「僕も好きだったよ」

その時、私の心は共鳴した。

 

そうだ、好きだったんだ。

私はあの頃の少年時代が、あの頃のエヴァが。

 

 

 

だけどシンジは振り返らなかった。

25歳、大人になった碇シンジは前を向き、現実と向き合い

世界へと駆け出していった。

 

25歳、今の私はどうだろうか。

大人になれず、ずっとモラトリアムの渦中にいる。

いつまでもあの頃の幻想を抱き、現実から背き続けている。

学生服は脱ぎ捨て、スーツにも袖を通せなくなった。

 

そう考えた途端、嗚咽と動悸が止まらなかった。

『ああ、どうか僕を置いて行かないでくれ』

『まだ僕にその世界を見させていてほしい』

そう願ってしまった。

 

 

私は渚カヲルにはなれなかった。

碇シンジが大人になることを、現実と向き合うことを望めなかった。

私は碇シンジにはなれなかった。

いつまでも過去の後悔や幻想に囚われ、前に進めずにいる。

 

碇シンジは世界を作り変えた。

自分で生きる世界を選択した。

エヴァンゲリオンの世界は私に投げかける。

「現実を見ろ」「大人になれ」

そう訴えられているように感じられた。

それは今の私の心にとても深く、突き刺さった。

 

『やめてくれ、まだここに居させてくれ』

その思いはエヴァには届かなかった。

 

「ーさようなら、全てのエヴァンゲリオン

碇シンジはそう呟いた。

それが私には、エヴァを踏襲してきた全ての大人たちへの餞の言葉の様に思えた。

チルドレンからの脱却、少年時代への決別。

 

 

私は大人になれかった。

年月だけを重ね気持ちはまだあの頃ー14歳の頃のままだ。

あの頃のままで居たいと願ってしまう。

それがただただ哀しく、虚しい。

自分だけがこの世界に取り残されてしまったようだった。

自分だけが過去に執着しているような気持ちになった。

 

 

私は25歳になった。

私は碇シンジの様に強くなれなかった。

私は碇シンジにはなれなかった。