分からない
ー貴方はどうしてここまで生きてきたの?
分からない。
即座にそう応えてしまう。
ここまで何をして生きてきたのか、
そしてこれからどうやって、何をして生きていたいのかが分からない。
もう今では何が愉しいのか、何が面白いのかもまともに判別ができない。
明日もまた何も分からないまま明日を迎えるのだろう、
きっとその明日もまた、その明日の明日もまた。
とにかくこれから先のことが不安でしかない。
将来に希望を見出せない。
偉い人は先のことなど考えず今に集中しろなんていうけど、
今現在自分は何をやりたいのかが分からない。
熱中できる何かが見つからない。
ただただそれが辛い。
自分は何者にもなれなかった。
ただ何者かになりたかっただけなのに。
その存在を認めてほしかった。
自分はもっと実力のある人間だと思っていた。
自惚れていた。
何も努力もせずただのうのうと生きてきた。
そんな自分が何者かになれるなんてありはしない。
今では夢中になれるものも見つからない。
自分が何者になりたいかも分からなくなってしまった。
ああ、僕はこれからどうやって生きていけばいいのだろうか。
自分自身に問うてみても応えはひとつだけ。
「分からない」